誰もがなり得る結末。

昨年4月下旬、大阪市に住む90歳の女性が自宅で息を引き取った。

死因は「凍死」。

駆けつけた警察は、同居していた62歳の息子を保護責任者遺棄の罪で逮捕した。

 

都会の片隅でひっそり暮らしていた親子が迎えた最悪の結末。

なぜ母親は自宅で凍えながら命を落とさなければならなかったのか。

大阪地裁で開かれた公判に出廷した息子は、社会から孤立し、誰にも頼ることが

できないまま追い詰められたいきさつを語った。(共同通信=助川尭史)

 

この記事はあまりにも衝撃的だった。

幼い頃から身体が弱く、病気やけがを繰り返し、実家に戻った被告。

その時、母親は元気だった。

でも、加齢とともに体は弱り、転倒を機に寝たきりに。

 

異性の子に下の世話をさせたくない。

恥ずかしい気持ちが、糞尿の処理を拒んだ。

その糞尿が原因の凍死。

 

考えてもみなかったと思う。

老々介護が当たり前の昨今。

誰もが起こり得るかもしれない結末に、肝を冷やした。

行政がもう少ししっかりと寄り添う社会になってくれたら、こんな悲惨な事件は

起こらなかったと思う。